人工聴覚情報学会



設立趣旨 HEADLINE


特定非営利活動法人人工聴覚情報学会

設 立 趣 旨 書

1 趣 旨

聴覚障害者は35万人いるといわれています。


 21世紀は感覚器の時代と医学会では標榜されています。

 感覚器の一つである聴覚は医学的な分野では飛躍的な進歩があるにも関わらず、その事実がまだ広く知られていません。それがために、聴覚医療を受診する機会を逃してしまう方が多くいます。
 今までの聴覚障害者の「聴こえ」に対する障害部位をカバーする社会的仕組みは、福祉に重きが置かれていて、一般社会での認識は、聴覚障害においては生まれながらにして、あるいは人生の途上で聴覚を失ったら音を聞くことはないものといわれていました。
 しかし、現実には医学の進歩によって、失われた聴覚や出生時に聴覚がなくとも、医療によって聴覚障害がカバーできるようになってきています。医学の進歩によって、聴覚障害医療としてできることの可能性が広がりをみせており、なかでも人工聴覚機器、気導補聴器や骨導補聴器をはじめとして、人工内耳・人工中耳・人工耳小骨など、聴覚障害者のQOLに大きく貢献できる医療が確立していて、多くの聴覚障害者にとっての朗報となっているのです。
 ただし、これほど聴覚障害に有効な医療であるにもかかわらず広く知られていない現実が多くの聴覚障害者の方の社会参加を阻むことにもなっているのです。
 また、昨今の、ヘッドホン難聴の問題や、ストレス社会によるものといわれる突発性難聴などは、全国で年間に35,000人が治療を受けていると推定され、「聴覚」を失うことが他人事ではなくなり、身近な聴覚健康維持への注意喚起や「耳」へのいたわりの心が必要であることを訴えていくことが重要である、と考えるようになりました。 
 そこで、特定非営利活動法人人工聴覚情報学会を設立し、今まで音が聴こえていた方が、音を失うということはどういうことなのか、代表自らが体験したことがあまりにも壮絶であった、という経験も交えながら、人工聴覚医療によって音を取り戻せる可能性があることを社会にたいして啓蒙・啓発活動を行い、正しい情報発信をしていくことを使命として、活動してまいりたい所存です。

平成20年11月2日

                         平成20年11月2日
                           特定非営利活動法人人工聴覚情報学会
                           代表理事 眞野 守之